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【トム・ロブ・スミス トーク&サイン会】1/日本語で「こんばんは」

承前 やっぱりここはトム・ロブ・スミスさんにも会いに行くべきなんじゃないか?

9月6日(火)19:00より、丸の内オアゾ丸善に於いて、「チャイルド44」「グラーグ57」を著したトム・ロブ・スミスさんの新刊「エージェント6」の刊行を記念したトークイベントが行われた。
以下はその記録である。
あくまでも手動での記録であり、主観が混在するなど(!)内容が間違っている事も考えられるが、その場合はご指摘をいただければ幸いである。

TRSトーク&サイン会1
↑ 会場内看板

TRSトーク&サイン会2
↑ トム・ロブ・スミス氏


9月6日、18:20頃。
そろそろ開場の前に並ばなきゃ… と思い、丸善3階のエスカレータ横を歩いていると、後ろから来た男性が私を追い抜いて行く。

この後頭部は… もしや… 田口俊樹さんじゃあるまいか? あ、やっぱり!

暫く後ろからついて歩き、話し掛けてみようかしらん? などと一瞬不敵な考えが浮かんだが、いやいや、それはできない内気な私。

俄に降り始めたゲリラ豪雨の最中、丸の内オアゾ内丸善の3階にある日経セミナールームの前には「トム・ロブ・スミス トーク&サイン会」への参加者が十数名並び、静かに開場を待っていた。
かくいう私もその仲間。サイン用に新しく購入した「エージェント6」2冊が入った丸善のビニル袋を握りしめつつ開場直前に現れた友人とともに入室。演台を臨む前から2列めに陣取る。

暫く待機の後、ほぼ時間通りにトークショーは開始された。

アナウンス後現れたスミスさん… 宣伝で見た写真通りの男前なのである。
そして、第一声は日本語での挨拶から!


---
以下、トム・ロブ・スミス氏曰く…


コンバンハ! ドウゾヨロシク!

私にとって、日本に来る事には非常に特別な意味があります。
何故ならば、私は、小さい頃から日本に来る事が夢だったからです。それも、ただ単に観光旅行で日本を訪れると云う事ではなく、何かしらの「目的」を持って来日したかったのです。

実は、ケンブリッジ大学を卒業後の進路として、日本での英語教師という選択肢もあったのですが、丁度その時、テレビの仕事で良い話を頂いたため、結局、日本に来る事ができなかったのです。

その後、私は小説を書き始めました。

当時は単に、エージェントもなくひとりで小説を書いているというだけの状態で、その小説「チャイルド44」が本国で出版できるかどうかも解らず、ましてや他言語に訳されることなど考えてもみませんでした。
しかし、「チャイルド44」が出版されて好評を博し、日本でも出版することが出来ないだろうか… と思っていた矢先に、日本からEメールで出版の話が舞い込んで来たのです。(このあたり、メモが不完全です。「日本から先に打診が来た」と仰っていた記憶があるのですが、メモにはその事が書いてありません。もしかしたら間違ってるかも…)この小説が日本で受け入れられるだろうか… そう思いましたが、最終的には契約が成立し、何と、日本へ行きたいと常々夢見ていた私よりも先に、私の書いた小説が海を渡り、日本へと上陸を果たしたのです!

「チャイルド44」は、ソ連時代の連続殺人事件【チカチーロ事件】をモチーフにした小説です。
特定の国の特定の時代に特化した小説なのに、日本をはじめ多くの国々で受け入れられているのには秘密があると思います。
例えば、この小説はイランでも翻訳され、ほとんどカットされる事なく出版することが許されました。
イラン側の翻訳者が、私の原稿を持っていたという事だけで4週間も刑務所に拘留されてしまったことを考えると非常に希有な事だと思わざるを得ません。

思うに、それは「チャイルド44」が人類の心に等しく存在する【善悪】についての物語だからなのではないでしょうか? ソ連の一時代に特化していても、根底に流れている普遍的なテーマがあるから、様々な国で受け入れられているのだと思います。
この小説を書いているとき、私は、こんなとき私だったら人間としてどうするか? と問いかけながら書きましたし、また、イランでこの小説を翻訳してくれた翻訳者も(この普遍的なテーマだからこそ?)イランと云う全体主義国家でこのような全体主義について書かれた本の翻訳をやり遂げる… という私が同じ立場だったら持てない程の勇気を持ってくれたのだと思います。

「チャイルド44」が日本で出版されると、何と「日本冒険小説大賞(註1)」(この賞について全く知らず、ホントにこんな賞があるのかな? と思ってしまいました… 済みません…)という素晴らしい権威ある賞を受ける事ができました。非常な名誉でしたし、その上、沢山の人々に私の小説が知られるようになりました。
もしかして終に日本に行くことが出来るかも知れない、と思いましたが、「日本に行くのが夢」だとは自分からは云いませんでしたし、この時は、来日の夢は実を結びませんでした。

しかし、続編の「グラーグ57」も翻訳され、また、三部作の最後を飾る「エージェント6」も出版の運びとなり、日本へのツアーが現実化しそうになったときに、3月11日の震災が日本を襲ったのです。
私は、心が張り裂けるような思いを味わいました。
そして、ツアーなんてとんでもないし、新作「エージェント6」の出版も延期した方がいいのではないか… と考えましたし、日本へのツアーの件についての話が立ち消えになったように思われました。

ところが、実際には、私自身が「日本に来るのが嫌」なのではないか? と配慮をいただいていたのだと云う事が解りました。それを知った私は、そんな事はない! と伝え、今回の来日は決定しました。
楽しみにしていた来日です。今回は富士山への登山も企画しているんですよ! 私は、ネパールで登山に目覚めた登山愛好家で、是非、富士山に登りたいと以前から思っていたのです。
昔から来たいと夢見ていた日本へ、しかも、思っていた通りに単なる観光としてではなく来る事が出来た事が本当に嬉しいです。しかも、3月11日に日本に大きな災害が起こったその後での来日という事で、更に意義深いものとなったと思います。このような機会を得ることが出来、新潮社に大変感謝しています。

レオ・デミドフついてお話ししましょう。
「チャイルド44」で、レオはイデオロギーの犯罪という大きな壁に阻まれてもあくまでも解決を求めて行動する決して諦めない男でした。それは「グラーグ57」でも同じです。ところが「エージェント6」では、彼が一時、絶望に身を任せることになります。しかし、結局は彼は、降参することが出来ないのです。そんな彼の姿が魅力的に感じるのではないでしょうか。
私は「エージェント6」に於いて、諦めない男である彼に【正しい結末】が訪れることを願っています。


註1/トム・ロブ・スミス「チャイルド44」は2008年度の日本冒険小説大賞、海外部門の一位に輝いています。
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