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ディーヴァーさんの創作の秘密に迫る!【その3】

承前 ディーヴァーさんの創作の秘密に迫る!【その2】

素人目に見ると、アイディアを考えることも難しいだろうけれど、大部の小説を「書く」行為そのものが神業的なものに感じられるのに、ディーヴァーさんは、「アウトラインさえ出来ていれば簡単!」と断言。 

そう云うものなのか…?


---
ディーヴァー氏、続けて曰く…

アウトラインを練り上げ、アウトラインに沿って物語を書き上げます。
それで終わり?
いいえ、第一稿というものは、そのままでは使い物にならないものです。 
まだまだ「終わり」ではありません。

それでは、第一稿の問題点とはどんなものでしょう?

まず、第一に、第一稿と云うものは多くの場合… 長過ぎます。
そして、第二に、第一稿の文章は「ヘタクソ」です。

野方図に書きたいように書いた文章は、長くなりがちです。
それは、コンピュータで文章を書くからなんです。 コンピュータならば長文も簡単に書けてしまいます。 
昔、手書きやタイプライターで文章を書いていた時代とは決定的に違う部分です。 
皆さんにも心当たりがあるかもしれませんが、最近の小説は長くなる傾向にありますよね? 実際に以前よりも30%?40%も長いのです。

「素晴らしいライターなんていない。いるのは素晴らしいリライターだ。」という言葉があります。
ヘミングウェイの言葉なのですが、この言葉は実際の現場を如実に表している言葉です。

第一稿の長過ぎる部分は、ヘタクソな文章を編集する段階で刈り込みましょう。
そう云う「編集」が小説にとって最も重要な作業になります。

それでは、先程から書いている「死の為の青写真」のクライマックス部分を書き直してみましょう。

物語の最後に、捜査官が悪い建築家を追いつめるシーンです。
悪い建築家は、どこか高い塔にのぼり、そこで新たな殺人を犯そうとしている… という場面です。

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【残念なお知らせ】

この辺りのお話はメモを取らなかったため、全然覚えていないのです…
このレポートの中で一番面白い部分になったかも知れないのに!
覚えている限りを書きますが、やむを得ず私自身のが脚色してしまった部分が大半です。あしからず…

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「終に、捜査官は悪人を古い水道橋のある高い塔に追いつめた。捜査官は、息も絶え絶えになり疲労困憊しつつも階段を駆け上がって行った。二日前に悪人と格闘したときに負った傷が痛むが捜査官は痛みをこらえながらがむしゃらに走った。手には愛用の大口径の自動拳銃、44マグナム、デザートイーグルを握りしめている。」

この文章をリライトしてみます。
もちろん、日本語と英語という違う言語の文法の中でのことなので、少し、事情が違うかもしれませんけれど。

先ず、「捜査官は悪人を古い水道橋のある高い塔に追いつめた。」ここは特に問題はないでしょう。
そして、「息も絶え絶えになり、疲労困憊しつつも」という所ですが… おやおや、ここで笑っている方々がいらっしゃいますね。あなた方は良い編集者になれる素質がありますよ!(笑)…このような重複した内容は、削ることが出来ます。更に、「二日前に負傷した…」というくだりですが、この出来事はこの本の中に既に書いてある訳で、ここでまた説明する必要はありません。捜査官の持っている拳銃についても、同様です。

続いて最後の場面… いよいよ悪漢との対決ですが…

「息をぜいぜいと大きく喘がせながらドアを開けた。見るとそこにはあの悪者が立っていた。拳銃をこちらに向けて悪者が云った「終に、ここまで来たんだな」「そうだ、もう諦めろ!」捜査官は常日頃から緊急時に於ける拳銃の訓練を怠らない。だから、拳銃を構えてこちらを狙っている犯人に対しても揺るぐことのない自信を感じた。この角度なら、オレの方に分がある筈だ。「もうお仕舞いだ。銃を捨てろ!」しかし、正面に向き直った悪者の指が引き金に掛かり、徐々に力を加えていくのが見える。 一瞬の後、捜査官の拳銃が火を噴き、悪人がその場にくずおれた…」

どうでしょう?

この期に及んで、日頃の訓練のことを考えたり、悪人との距離や角度のことなどを考えたりするでしょうか?
そんなことを考えたり喋ったりする暇があるでしょうか?
その前に… 「さっさと撃て!」と云いたいですよね!(笑)

そう、この場面は、こう云う表現にしましょう。

「終に、捜査官は悪人を古い水道橋のある塔に追いつめ、撃ち殺した。」 以上!(爆笑)

思いつくままに書いた文章には、重複や、無駄に丁寧な表現や、不適切な形容、文法的な間違いや解りにくくなっているところが必ず存在します。一つ一つの文章に於いては、その間違いは些細なものかもしれませんが、それが積み重なるとおかしな具合になってしまいます。
先程のヘミングウェイの「素晴らしいライターはいないが、素晴らしいリライターはいる」という言葉を思い出してみましょう。 私は、第一稿を仕上げた後、50回?60回は書き直しの作業をします。 それくらいに精緻に取り組んでこそ、漸く、人々に支持される「ミント味の歯磨き粉」を作り出すことが出来るのです。


さて! これで、漸く、小説が完成しました。
しかし、まだまだ、私がリゾートには行けないようです。

何故ならば、この原稿を読んだハリウッドのお歴々から声がかかったからです。
是非、この小説を映画にしたい! 私は、ハリウッドのプロデューサーとミーティングに臨みます。

その席でプロディーサーが私に「ちょっとだけ、ストーリーを変更させてくれないか」と提案して来ます。
私は問います。「どんな風に?」「例えば… この話の舞台をふたつの異なるパラレルワールドに変更して… そして、18世紀のどこかで書かれたある建物の青写真が以上に重要な意味を持つような…」

こうなってくると、これは、どう考えても、私のアイディアではありませんよね。

何故ハリウッドは、私が考えたものでもないアイディアなのに私にお金を払う気になれるんでしょう?(爆笑)
私はプロディーサーに尋ねます。「具体的に私の小説のどの部分が気に入って、映画化の話しをされているんですか?」 そうすると彼は答えます。「実は、この話しは全然気に入っていない。(爆笑)でも、この「死の為の青写真」っていうタイトルが良いんだよ!」(大爆笑)

私はモラルの面での葛藤に5秒ばかり悩みますが… それでもプロデューサー氏には「是非とも、よろしくお願いします!」と挨拶をします。 だって… 小説は「ビジネス」ですからね。(笑)

そして、小説が出版されると、今度は、今、私がここにいるように本のPRの為のツアーに出ます。
私は、このようなブックツアーで世界を回るのが大好きなんです。
それは、あなた方のような世界中の読者に会うのが楽しいということと、それに加えて、ビジネスとして読者が何を求め、自分の小説に対してどういう感情を抱いているかを知ることが出来るからなんです。

以前、カリフォルニアのとある書店でサイン会を行ったときのことです。
サイン会が終わったあと、ひとりの可愛らしい老婦人が近寄って来て、私にこう云ったのです。

「私は、この書店の近くの老人ホームに住んでいるんです。そこでは読書会が盛んで、あなたの小説も良く題材に選ぶんですよ… ところで、あなたの最近の著作の殺人なんですが… 」

わたしは身構えます。
こんな素敵な老婦人に刺激的過ぎる作品を批判されるのではないか… と。

「あなたの最近の著作の殺人事件ですが、すこし、なまやさしすぎるんじゃないですか? 「ボーン・コレクター」では、あの女の人の死体の上をネズミが這い回ったりしていたのに… あなたのルーツを忘れちゃったんじゃないんですか?」(爆笑)

ははは! 確かに。

しかし、私は最近の傾向を改める気持ちは余りありません。 何故ならば… 例えば、映画に「ソウ」というシリーズがありますが、あれは私にはあまり面白いとは思えません。 残酷な手段での殺人や、大量の血など、直接的過ぎる描写でこけ脅しているだけに思えるからです。 サスペンスならば、やはりヒッチコックのように、自ずからドキドキするようなサスペンスこそが難しく挑戦し甲斐のあるサスペンスなのではないかと思いませんか?
私は、小説に登場する殺人事件も可能な限り少なくする方がサスペンスフルだと考えています。

そして… 漸く、私はバカンスへと向かいます。
ビーチで寝そべり、美女に囲まれて、カクテルを飲みながら…
と、そこに、ブラックベリーの鳴り響く音が!

また、一年を掛けての長編の仕事が始まるのです。

【今後の予定】【出席者からの質問コーナー】に続く…

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