ハンニバルライジング/**+

ハンニバルライジング(上下)/トマス・ハリス
新潮社
 
評価/**+
 
ハンニバル・ライジング 上巻 (1) ハンニバル・ライジング 上巻 (1)
トマス・ハリス (2007/03)
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ハンニバル・ライジング 下巻 (3) ハンニバル・ライジング 下巻 (3)
トマス・ハリス (2007/03)
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ふえるかんそーぶん/ハンニバルライジング/ふえる1
          ハンニバルライジング/ふえる2
          ハンニバルライジング/ふえる3
          ハンニバルライジング/ふえる4
 
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このお話全体が映画のト書きなのである。
分量も本来ならば二分冊する必要はなかろう(物理的に薄く活字がデカイ)に、二分冊しているところも気に入らない。 

後書きによると、トマス・ハリスは今回の映画「ハンニバルライジング」の脚本を担当している模様なのだが、原作を書く時点で既に映像化が視野に入っていて、映像になる前から映像の焼き直し=ノベライゼイション化しちゃったの?(まさか…) と云った印象なのである。

また、正直に云って本当に前作から7年の歳月をかけて書かれた本だとは思えない内容の薄さ…
 
こんなもんではトマス・ハリスファン… 否、ハンニバル・レクターファンは、絶対に納得出来ないぞ!
 
何しろ、レクターが怪物になった訳は一体何なのか? というのが、このお話の肝心要のテーマである筈なのに、それが全く不明… 否、全く不明と云うか、その理由だと思われる出来事が原因となって怪物になったと云うよりも、全くの生まれつきで怪物だったと云う解釈しか出来ない展開なのである。 普通の人間だったハンニバルが怪物に変わって行く過程も全く見えて来ないし、妹のミーシャに関わる「出来事」事態の深刻さが字面だけの表面的なものになってしまっていて、深みがないと云うか、感情を掻き立てる物がないと云うか、心理面の書き込みが足りないと云うか… とにかく何かが足りないのである。
 
何かが足りないから、結局、ナチュラルボーンモンスターでナチュラルボーンカニバルだっただけなのか? と云う落胆を感じざるを得ず、幼少時のハンニバルに対する「哀れ」方面での感情移入が非常に難しいように思える。 
 
更に、何もかもが唐突。
 
日本趣味も唐突。
最初の殺人&食人で早速ハンニバルに食いついて来る刑事ポピールが、何故にのっけからいたいけな少年であるハンニバルを疑うのかが全く不明で唐突。
また、そもそも、凶器のアレを振り回す技術がいつどこで培われたのかが不明で唐突。
何故に、喰っちゃったのかも不明で唐突。 
数え上げるときりがないくらいに唐突。
 
そして、日本趣味がへんてこりん。

ハンニバルを庇護する日本人女性の紫夫人… 
後書きにも書いてあったように、多分「源氏物語」繋がりでのネーミングなんだろうけれど、源氏に登場する紫の上はロリータだし、寧ろ光源氏に庇護される側だよね? 大人の女としてのこの役所に重ねるとして適当なのは、六条の後息所… いやいや、不義密通の相手の藤壷が相応しかろう物を… トマスったら半可通?

そして、べべべんと琵琶を爪弾くハンニバル…(くくくくく…)
幾らなんでも、琵琶をべべべんはないだろう。 
 
はあ… 何だか悲しくなってきた…
 
これはもしかしたら映像だけ楽しんだ方が良いかもよ。  
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2008年01月05日 10:53:09

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