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だって、クリスティが好きなんだもん!【偏愛ベスト10の巻】

だって、クリスティが好きなんだもん!【出会いの巻】

という訳で、私のクリスティの偏愛は齢43を数えた今も続くのである。

そろそろ、本題に戻って、ベスト10をば。

しかし、これは、ホントに難題… だ。
ミステリ史上に残る作品だけでも5本の指では足りないっつーのに…

ここは、無邪気な子供に帰って、これ迄、クリスティとともに過ごして来た人生の中で、最も沢山再読した(と記憶している)ものを自分なりのベストだと思って、既成概念に囚われずに思い出してみようか。


■先ず、何と云っても「杉の柩」/ポアロ
これは、機会さえあれば何度でも読みたい名作。
大きくは、愛の物語と云っていいと思うのだけれど、しかし、細かく作られたミステリとしてのプロットも非常に良い。 特殊な種類の薔薇の花などの小道具も利いている。

■「五匹の子豚」/ポアロ

クリスティの作品に度々現れる「犯罪は長く影を伸ばす」というテーマと、これまたクリスティ作品中に多く見られる童謡殺人の要素が絡み、また、過去に起こった同じ殺人事件を5人の容疑者(含む真犯人)の立場から再構成すると云う構成の妙もあり、絶品。 特に、被害者である絵描きの男性が、最後の絵を描く、そのシチュエーションは凄い。

「火曜クラブ」/ミス・マープル(ハヤカワ版)
確か、これがミス・マープルのデビュー作。(だと記憶してるんだけれど… 違うかも)
公式には未解決であり、話し手が真相を知っている犯罪を数人のメンバーがそれぞれに出題し、推理を競う… と云うパターンの作品集。 これこそ何度でも読みたくなる作品集。 謎解きの回答者はバラエティに富んでおり、村の老嬢であるミス・マープル以外は名のある作家や地元の名士、医者など、知的階級のお歴々。 しかし、最終的に答えを言い当てるのはいつも、優しげで世間知らずに思えるミス・マープル… と云うお約束なのだけれど胸のすく設定がつぼなのである。 特に好きなエピソードはアホな女優のしたたかさが光る「バンガロー事件」と、後に「白昼の悪魔」という長編の下敷きとなった「コーンウォールの謎の事件」。

「リスタデール卿の謎」/ノンシリーズ(ハヤカワ版)
本当は創元版の「クリスチィ短編集2」(多分「2」の筈。背表紙&表紙の色調が緑色のヤツ)での訳の方が好き。
全てノンシリーズの短編集なんだけれど、これが… イギリスっぺーというか… とにかく、様々なトーンの作品の集まりなんだけれど、雰囲気があるというか… たわいもない男女の「一寸した不思議な出来事」が描かれている一連の作品が良いの! 春風駘蕩というか、のびのびしていて。(中には復讐譚もあるが) 
騎士道精神に溢れた若さが勝負でお金のない男性が、女の子の為に一肌脱ぐ的な… 特に好きなのは「エドワード・ロビンソンは男でござる」(ハヤカワ版だと「エドワード・ロビンソンは男なのだ」になっていて、今ひとつ風情にかける)。 「車中の娘」(考えるより先に身体が動く… そんな英国男子が何も言わずに女の子の危機を救う冒頭部分がロマンティック!)。

「ホロー荘の殺人」/ポアロ
これも凄いお話。 主人公の愛に涙が出る。
余りに好きすぎて、中学生の時、原書を買って読もうと試みたほど。(30ページ程訳しました(笑))
このお話に登場する女性についての描写で忘れられないのが、彼女が神に祈るときの背中の曲線の美しさ揺るぎなさの描写。 この姿を絵に描きたくて頑張った事も忘れられない。 ミステリとしても秀逸だと思う。 
あ、ある意味では、「ベヴァリー・クラブ」的かも。

「復讐の女神」/ミス・マープル
お話の半分を過ぎるまで、一体、何が起こったのか、何が犯罪なのかがさっぱり解らないこの作品。
でも、クリスティが晩年に開発(?)したと云われている、この類いのお話の作り方は読むべき価値がある。
このお話は、「カリブ海の秘密」(これも面白いぞ!)という小説に登場する富豪の老人が、快刀乱麻に事件を解決したミス・マープルを評して「ネメシス=復讐の女神」と云った事に由来していて、その富豪老人が、ミス・マープルに遠い過去に身内に起こった行方不明(殺人?)事件を解決して欲しい… と依頼して来た事から始まる。 しかし、発端はどうあれ「カリブ海の秘密」とは内容的には関連はないので安心して読んで下さい。(とお薦めしてみる)

「死への旅」/ノンシリーズ
非常に面白い! 人生を投げてしまった女性が再生する、元気の出るお話。
題材も現代的(?)と云うか… 国際的陰謀とか、カルト教団の恐怖とか、社会問題として起こりそうな(起こらないか…)ものを扱っていて、初読の時は非常にどきどきした思い出が… これも何回読んだか解らない。

「NかMか」/トミー&タペンス・ベレスフォード
トミーとタペンスものも大好き。 「秘密機関」で恋人同士だった二人が結婚して探偵業を開き(「おしどり探偵」ハヤカワ版(創元版は「二人で探偵を」))、子供が巣立って立派に軍人として働く中で、年を取って出番がなくなった事を嘆く二人がひょんな事からドイツの大物スパイを探すために奮闘する!というお話。 タペンスの名台詞「があがあガチョウのお出ましだ!」が発せられるのはこの作品。 この二人が登場するお話は次第に変化してゆく二人の「二人の歩いて来た人生」を垣間みられるのが良い。

「親指のうずき」/トミー&タペンス・ベレスフォード
トミーとタペンスものが思ったよりも好きっぽい。 これは「NかMか」よりも更に年を取り、既に老境に至った二人が、曖昧模糊とした過去の殺人(かもしれない)事件を追うお話で、女史晩年の得意なテーマ。 でも、この二人が主人公である事によって、内容は明るいとは云い難いんだけれど、とても楽しいエピソードが加わって、何度読んでもカタルシスが得られる。

「パディントン発4時50分」/ミス・マープル
ミス・マープルが探偵として登場するんだけれど、その補佐役と云うか、実際に活躍するルーシー・アイレスバロウが凄くいい味を出しているんだなぁ… 数学の秀才でありながら、家事分野を生涯の仕事ととして選んだと云う実際家肌の変わり種という設定で、その有能さから引く手数多の家事請負人として様々な上流階級家庭を渡り歩く彼女が、ミス・マープルのお眼鏡に適い…

「無実はさいなむ」/ノンシリーズ
既に解決した殺人事件に新証言をもたらし、元の木阿弥とさせた男が感じたのは、関係者の感謝の念ではなく、再び混乱を招いた自分に対する憎悪だった… 「大切なのは誰が犯人かではなく、誰が無実か、という事である」という至言が登場するのがこの作品である。 この台詞は萩尾望都さんが「メッシュ」(違うかな「訪問者」かな?)の中で使ったりなど、有名な概念なのだ。 家族の中で最も「犯罪者」として適していて、犯人として検挙され亡くなった男は実際には犯人ではなかった… その事実が判明した結果、家族の中で始まる疑心暗鬼の恐ろしさ。 ん? これも「ベヴァリー・クラブ」的な… 

「茶色の服の男」/ノンシリーズ
最初期の作品。 冒険好きな女の子が、冒険の果てに素敵な人生を勝ち取る… というパターンの作品の中の一つ。 若い時に書いたものだからか、非常に勢いがあり読んでいて楽しくなる事請け合い。

「パーカー・パイン登場」/パーカー・パイン
短編にしか登場しない統計学を使って悩みを解決してくれるパーカー・パイン。
この作品群も読めば読む程味が出ると云うか… 様々な市井の人々の悩みを鮮やかに解決するパイン氏(たまに失敗する…)のお手並みが痛快。 特に好きなのは… 題名を忘れちゃったんだけれど、何不自由ない生活を手に入れた大富豪の女性が退屈を持て余してパイン氏に相談を持ちかけ、自分の忘れていた生き甲斐を取り戻す… という作品。


ん? ここまで書いて、ふと振り返ると…
もう13タイトルも選んでしまっているではないか!

でも、まだまだあるんだけどな…

例えば、「ゴルフ場殺人事件」とか(ポアロもの。ヘイスティングスとシンデレラがいい感じ!)、「象は忘れない」とか(ポアロもの。晩年の名作!)、「葬儀を終えて」や「予告殺人」(ポアロもの。トリックの核心がおんなじ)、跳ねっ返りのバンドルが登場する「チムニーズ館の殺人」とか、「鏡は横にひび割れて」とか(ミス・マープル。人の気持ちがわからない想像力のなさが殺人の引き金に)… 短編集でも「ヘラクレスの冒険」(エルキュール=ヘラクレスが神話と同じように12の難題に挑む!)が選んでないし!

もう駄目だ! 
とにかく、10作品なんて決められないよ! 
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