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今になって、筒井康隆を読むのこゝろ その四(ヨッパ谷への降下)

今までのお話…

今になって、筒井康隆を読むのこゝろ その壱

今になって、筒井康隆を読むのこゝろ その弐

今になって、筒井康隆を読むのこゝろ その参


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筒井康隆シリーズの最終章である。

これまで、読んだ事が無かった筒井作品を齢38にして、固め読み。
禁断の作家として封印してきた過去と、それを破り、高鳴る期待とともに読んだにも拘らず感じた落胆… そして、再発見へと、猛スピードで駆け抜けて来た。(笑?)

そして、終に、筒井を巡る旅ともお別れ… これからは、「筒井康隆」も単なる一作家としてこの場所に登場する事になるのである。

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■ヨッパ谷への降下(自選ファンタジー傑作集) 新潮文庫/¥476
 
 筒井康隆(著)

■2006/2
■*****

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この短編集は、食後の感想としては、所謂「奇妙な味」。
作品集で云えば、「異色作家短編集」に準える事が出来そうだ。

お下劣(失礼)な部分は影を潜め、静謐な感覚。
実は… 好み、で、ある。

・薬菜飯店 *****
本当の意味で「身体に良い」料理のオンパレード。
エスカレーション描写にも嫌味が無く、料金も良心的で後味も宜しい。

・法子と雲界 *****
夢を自由自在に操る事の出来る達人とその弟子たちの人となりが、細かいエピソードを積み重ねる事によってリアルなものに感じられる。 好み。

・エロチック街道 ***+
相変わらず、だから何?

・?笥 ****+
エロとレトロが出会う場所。
結末は苦く甘い。

・タマゴアゲハのいる里 ****+
そこはかとないエロとこの世ならぬ感じが良い。

・九死虫 ****
九回の人生を生きる事が出来るということは、必ずしも幸せではないということ。 

・秒読み ****
まともなSFタッチ。
主人公が子供に返り、一体何の為に子供に返ったのかを忘れてしまう所が秀逸。 でも、結局は行動完了するんだけれど…

・北極王 *****
切ないお話し。 落涙。

・あのふたり様子が変 *****
絶妙のエロティシズムと切なさの融合。
些細なタイミングを逸する事の重要性に思い当たる事がある。

・東京幻視 ****
これも、タイミングのお話し… かな?
やるべき時があり、それにふさわしい時があり、それを逸したらもう後には何も残らないのである。

・家 *****
傑作。
ビジュアルが「千と千尋の神隠し」に於ける「油屋」の立地とそこから見える風景を彷彿とさせる。 宮崎氏はこれを読んでいるのかな… と思ったり。

・ヨッパ谷への降下 *****
傑作。
ご飯の中に社会が見えます。
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