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だって、クリスティが好きなんだもん!【偏愛ベスト10の巻】

だって、クリスティが好きなんだもん!【出会いの巻】

という訳で、私のクリスティの偏愛は齢43を数えた今も続くのである。

そろそろ、本題に戻って、ベスト10をば。

しかし、これは、ホントに難題… だ。
ミステリ史上に残る作品だけでも5本の指では足りないっつーのに…

ここは、無邪気な子供に帰って、これ迄、クリスティとともに過ごして来た人生の中で、最も沢山再読した(と記憶している)ものを自分なりのベストだと思って、既成概念に囚われずに思い出してみようか。


■先ず、何と云っても「杉の柩」/ポアロ
これは、機会さえあれば何度でも読みたい名作。
大きくは、愛の物語と云っていいと思うのだけれど、しかし、細かく作られたミステリとしてのプロットも非常に良い。 特殊な種類の薔薇の花などの小道具も利いている。

■「五匹の子豚」/ポアロ

クリスティの作品に度々現れる「犯罪は長く影を伸ばす」というテーマと、これまたクリスティ作品中に多く見られる童謡殺人の要素が絡み、また、過去に起こった同じ殺人事件を5人の容疑者(含む真犯人)の立場から再構成すると云う構成の妙もあり、絶品。 特に、被害者である絵描きの男性が、最後の絵を描く、そのシチュエーションは凄い。

「火曜クラブ」/ミス・マープル(ハヤカワ版)
確か、これがミス・マープルのデビュー作。(だと記憶してるんだけれど… 違うかも)
公式には未解決であり、話し手が真相を知っている犯罪を数人のメンバーがそれぞれに出題し、推理を競う… と云うパターンの作品集。 これこそ何度でも読みたくなる作品集。 謎解きの回答者はバラエティに富んでおり、村の老嬢であるミス・マープル以外は名のある作家や地元の名士、医者など、知的階級のお歴々。 しかし、最終的に答えを言い当てるのはいつも、優しげで世間知らずに思えるミス・マープル… と云うお約束なのだけれど胸のすく設定がつぼなのである。 特に好きなエピソードはアホな女優のしたたかさが光る「バンガロー事件」と、後に「白昼の悪魔」という長編の下敷きとなった「コーンウォールの謎の事件」。

「リスタデール卿の謎」/ノンシリーズ(ハヤカワ版)
本当は創元版の「クリスチィ短編集2」(多分「2」の筈。背表紙&表紙の色調が緑色のヤツ)での訳の方が好き。
全てノンシリーズの短編集なんだけれど、これが… イギリスっぺーというか… とにかく、様々なトーンの作品の集まりなんだけれど、雰囲気があるというか… たわいもない男女の「一寸した不思議な出来事」が描かれている一連の作品が良いの! 春風駘蕩というか、のびのびしていて。(中には復讐譚もあるが) 
騎士道精神に溢れた若さが勝負でお金のない男性が、女の子の為に一肌脱ぐ的な… 特に好きなのは「エドワード・ロビンソンは男でござる」(ハヤカワ版だと「エドワード・ロビンソンは男なのだ」になっていて、今ひとつ風情にかける)。 「車中の娘」(考えるより先に身体が動く… そんな英国男子が何も言わずに女の子の危機を救う冒頭部分がロマンティック!)。

「ホロー荘の殺人」/ポアロ
これも凄いお話。 主人公の愛に涙が出る。
余りに好きすぎて、中学生の時、原書を買って読もうと試みたほど。(30ページ程訳しました(笑))
このお話に登場する女性についての描写で忘れられないのが、彼女が神に祈るときの背中の曲線の美しさ揺るぎなさの描写。 この姿を絵に描きたくて頑張った事も忘れられない。 ミステリとしても秀逸だと思う。 
あ、ある意味では、「ベヴァリー・クラブ」的かも。

「復讐の女神」/ミス・マープル
お話の半分を過ぎるまで、一体、何が起こったのか、何が犯罪なのかがさっぱり解らないこの作品。
でも、クリスティが晩年に開発(?)したと云われている、この類いのお話の作り方は読むべき価値がある。
このお話は、「カリブ海の秘密」(これも面白いぞ!)という小説に登場する富豪の老人が、快刀乱麻に事件を解決したミス・マープルを評して「ネメシス=復讐の女神」と云った事に由来していて、その富豪老人が、ミス・マープルに遠い過去に身内に起こった行方不明(殺人?)事件を解決して欲しい… と依頼して来た事から始まる。 しかし、発端はどうあれ「カリブ海の秘密」とは内容的には関連はないので安心して読んで下さい。(とお薦めしてみる)

「死への旅」/ノンシリーズ
非常に面白い! 人生を投げてしまった女性が再生する、元気の出るお話。
題材も現代的(?)と云うか… 国際的陰謀とか、カルト教団の恐怖とか、社会問題として起こりそうな(起こらないか…)ものを扱っていて、初読の時は非常にどきどきした思い出が… これも何回読んだか解らない。

「NかMか」/トミー&タペンス・ベレスフォード
トミーとタペンスものも大好き。 「秘密機関」で恋人同士だった二人が結婚して探偵業を開き(「おしどり探偵」ハヤカワ版(創元版は「二人で探偵を」))、子供が巣立って立派に軍人として働く中で、年を取って出番がなくなった事を嘆く二人がひょんな事からドイツの大物スパイを探すために奮闘する!というお話。 タペンスの名台詞「があがあガチョウのお出ましだ!」が発せられるのはこの作品。 この二人が登場するお話は次第に変化してゆく二人の「二人の歩いて来た人生」を垣間みられるのが良い。

「親指のうずき」/トミー&タペンス・ベレスフォード
トミーとタペンスものが思ったよりも好きっぽい。 これは「NかMか」よりも更に年を取り、既に老境に至った二人が、曖昧模糊とした過去の殺人(かもしれない)事件を追うお話で、女史晩年の得意なテーマ。 でも、この二人が主人公である事によって、内容は明るいとは云い難いんだけれど、とても楽しいエピソードが加わって、何度読んでもカタルシスが得られる。

「パディントン発4時50分」/ミス・マープル
ミス・マープルが探偵として登場するんだけれど、その補佐役と云うか、実際に活躍するルーシー・アイレスバロウが凄くいい味を出しているんだなぁ… 数学の秀才でありながら、家事分野を生涯の仕事ととして選んだと云う実際家肌の変わり種という設定で、その有能さから引く手数多の家事請負人として様々な上流階級家庭を渡り歩く彼女が、ミス・マープルのお眼鏡に適い…

「無実はさいなむ」/ノンシリーズ
既に解決した殺人事件に新証言をもたらし、元の木阿弥とさせた男が感じたのは、関係者の感謝の念ではなく、再び混乱を招いた自分に対する憎悪だった… 「大切なのは誰が犯人かではなく、誰が無実か、という事である」という至言が登場するのがこの作品である。 この台詞は萩尾望都さんが「メッシュ」(違うかな「訪問者」かな?)の中で使ったりなど、有名な概念なのだ。 家族の中で最も「犯罪者」として適していて、犯人として検挙され亡くなった男は実際には犯人ではなかった… その事実が判明した結果、家族の中で始まる疑心暗鬼の恐ろしさ。 ん? これも「ベヴァリー・クラブ」的な… 

「茶色の服の男」/ノンシリーズ
最初期の作品。 冒険好きな女の子が、冒険の果てに素敵な人生を勝ち取る… というパターンの作品の中の一つ。 若い時に書いたものだからか、非常に勢いがあり読んでいて楽しくなる事請け合い。

「パーカー・パイン登場」/パーカー・パイン
短編にしか登場しない統計学を使って悩みを解決してくれるパーカー・パイン。
この作品群も読めば読む程味が出ると云うか… 様々な市井の人々の悩みを鮮やかに解決するパイン氏(たまに失敗する…)のお手並みが痛快。 特に好きなのは… 題名を忘れちゃったんだけれど、何不自由ない生活を手に入れた大富豪の女性が退屈を持て余してパイン氏に相談を持ちかけ、自分の忘れていた生き甲斐を取り戻す… という作品。


ん? ここまで書いて、ふと振り返ると…
もう13タイトルも選んでしまっているではないか!

でも、まだまだあるんだけどな…

例えば、「ゴルフ場殺人事件」とか(ポアロもの。ヘイスティングスとシンデレラがいい感じ!)、「象は忘れない」とか(ポアロもの。晩年の名作!)、「葬儀を終えて」や「予告殺人」(ポアロもの。トリックの核心がおんなじ)、跳ねっ返りのバンドルが登場する「チムニーズ館の殺人」とか、「鏡は横にひび割れて」とか(ミス・マープル。人の気持ちがわからない想像力のなさが殺人の引き金に)… 短編集でも「ヘラクレスの冒険」(エルキュール=ヘラクレスが神話と同じように12の難題に挑む!)が選んでないし!

もう駄目だ! 
とにかく、10作品なんて決められないよ! 
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だって、クリスティが好きなんだもん!【出会いの巻】

先日、Twitter上で杉江松恋氏からのこんな問い掛けが…

「あなたのクリスティのベスト10を教えて下さい」

そう云えば、こんなに大好きなクリスティについて、まとめて書いた事が一度もないかも知れない。
だって、私自身としては「クリスティが大好きな自分」は自分としてのアイデンティティであり、最早生活の一部(?)だから、あらためて色々考えたりした事はないんだよね。

いかんいかん。

やっぱり、好きなものは好きだと表明しておかなければ!

今回は良い機会なので、記憶だけを頼りにベスト10を選んでみよう。

記憶が頼り… というのは、日本の首都東京に引っ越して来た6年前にクリスティ文庫を殆ど全て実家に置き去りにして来たので、読み返す事が出来ないから。 実は、東京に引っ越して来た時には、本は殆ど持って来なかったんだ。 だって、ここって狭いし。 実家に置いておけば安心だし。(でも父母に良く良く言い含めておかないと、捨てちゃったり(!)、誰かに進呈しちゃったりするかも知れないので注意が必要) だから、クリスティに限らず、キングの(特に嵩張るハードカバー)著作なんかも、殆ど実家に置き去り… 何時か、出世したら(しないと思うけど)書庫のある(せめて本棚だけでもいい…)広い家に住むぞ! そして、実家に置き去りにした大切な本達を手元に引き取るんだ! 

あ、話題が違う方向に… もとい。

私が、クリスティに魅せられたのは、忘れもしない小学校の5年生の時。

その一寸前に、親から子供向けに簡単にリライトしてあるのホラー小説のアンソロジー(?)を買って貰ったのが切っ掛けであった。 そのアンソロジー(?)たるや、例えばジェイコブズの「猿の手」、コリアの「緑の想い」、ロバート・ブロックの「アマゾンのヘッドシュリンカー」、ブラッドベリの「小さな殺人者」、パトリシア・ハイスミスの「蝸牛(巨大生物の島?巨大蝸牛が襲ってくるヤツ)」そして、聞いて驚け、あのジャクスンの「くじ」までもが収録されていると云うとんでもない代物… とにかく内容が充実していて非常に面白かったこともあり、舐めるように毎日毎日その本ばかりを読んでいたわたしは、その中に、情報ページとしてお薦めの本が紹介されているコーナーを発見したのだ。 そこにクリスティの「そしてだれもいなくなった」が紹介されていたのである。

今、考えると、何故そこにクリスティが紹介されていたのか全く理解に苦しむのだが…
しかし、その当時の私には、そんな矛盾点など預かり知らぬ事である。 
ただ単純に「こんなに面白いお話ばかりが載っている本が紹介してくれる本だから絶対に面白いに違いない!」という一途な思いだけが強く心に刻まれて…

そして、私は、両親に申し出た。

今度のクリスマスのプレゼントは、このアガサ・クリスティという人の「そしてだれもいなくなった」という本が欲しい!

その願いは空しくも叶えられなかった。

両親にしてみれば、まだ小学生の娘に大人の本を買い与えるという事が余り良くないことと判断されたのかも知れないし、和物好きの両親がもしかしたら、アガサ・クリスティを知らなかったのかも知れないし、そもそも全く相手にされていなくて聞き流されてしまったのかも知れないし、その真相はよく解らないのでだが、結局、その時点では私の元にクリスティがやってくる事はなかったのだ。

さて、時は流れて、小学5年になった春。
私は、それまで師事していた地元のピアノの先生から紹介されて、先生の先生にあたるピアノ指導者に師事を請う事になった。 小学生にして、バスで以て県庁所在地の甲府に通う事になったのである。

一人で、バスに乗って、甲府に行く…

これは、凄い事ですよ。
何故かと云えば、そこには「自由と冒険」が! そして、いかばかりかの現金が!

そこで私が最初にした冒険は、1階がバスターミナルである甲府では数少ないデパートの2階にあった本屋で「アガサ・クリスティという人の「そしてだれもいなくなった」という本」を探す事だったのである。
バスの運賃をケチって(家からは少し先のバス停で乗って、目的地の少し手前のバス停で降りる)お金を貯めて、その本屋に一人で乗り込んで探したクリスティ… 
軽い後ろめたさと、なかなか発見出来ない事に寄る焦り…
時間の余裕はない…(だって、余り遅くなると、何をしているのかと親の疑惑を招く)

その時、あのハヤカワ文庫の赤い背表紙が… 

あっ! クリスティって書いてある!
しかも、何だかいっぱいある!

これが、私とクリスティの出会いの一幕なのである。

ロマノよ永遠に!(ERのネタバレあり、注意!)

ご存知の方はご存知かも知れないが、ここのところの数ヶ月というもの、わたしの毎夜のお愉しみは、異国の地の彼のご長寿医療ドラマ「ER」を観る事にあった。
 
現在、シーズン10に突入。
  
初期の頃(シーズン1?シーズン3くらい?)は、虫食いではあっても総合テレビで放映していた時にそれなりに観た事があり、ストーリー展開も一応は把握していたのだが、流石長寿番組だけの事はあって、シーズンを重ねる毎に、おなじみのキャラクターがあっさりと消えてしまったり(ダグ、ハサウェイ、そしてベントンまでも!)、そして、終にはERの要のグリーン医師も脳腫瘍で亡くなるというサプライズまで待ち構えていて、涙腺が破壊されたのも束の間、今度は、今度は、今度は…!!!!!
 

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思えば、最初は、あなたの事なんて、何とも思っていませんでした…

そう云えば、最近、一寸嫌な奴がいるな… って思っていたくらいのもので、云ってしまえば、殆ど眼中になかったと云うか… だからと云って嫌いと云う訳でもなく… ほんの通りすがり程度の登場人物かな… って。
 
でも、その内に…

そう、エリザベスがグリーン先生とお出掛けするのに気が急いて、お座なりな対応をしてしまった患者が結果的に半身不随になってしまった事件の後、その手の手術が怖くなってしまったエリザベスのやる気を、あなたが、彼女の闘争心を掻き立てるような「愛の鞭」で背中を押して恐怖心に打ち勝つ手助けをした、あの時から…
 
わたし、あなたのことが大好きになったんです…
 
この人って、本当は優しくて繊細で人の心の機微を的確に察知出来る人なんだ。
一寸、嫌みっぽくて、口が悪いのは、単なる照れ隠しなんだ。
人と付き合う事に慣れていないだけなんだ。
頭が良くて、ユーモアのセンスがあって、その上、天才的な技術を誇る名外科医…
 
それに、頭が禿げている所も魅力的だし…
 
その後も、エリザベス絡みでは特に… 例えば、大荒れの天気の中で行われたエリザベスとグリーン先生の結婚式のときは、グリーン先生が会場になかなか来なくて気をもむエリザベスを落ち着かせて、更に「綺麗だよ…」と優しい言葉を掛けたり、グリーン先生がいよいよ危ないとなったときも(彼が恋敵であるにもかかわらず)、快くエリザベスをハワイに送り出したり …そんな、紳士的なあなたを垣間み、ますます、あなたが好きになったのです。
 
そして、慎重な筈のあなたが、何故か不注意で遭遇してしまったヘリコプターのプロペラでの左腕切断の事故。
 
あのとき、わたしは、本当に驚きました。
あのシーズンで、あなたが怪我をするのは知っていましたが、まさか… 左腕を切断する程の大怪我だなんて! その上、自家移植した左腕が次第に感覚を失い、最後には、あんな風にコンロの火で火傷まで… さぞ、辛かった事でしょう。
 
折角、腕を失わずに済んだと思っていたのに… 

でも、許して下さい。 
不謹慎ですが、あのときのあなたが見せた弱さにも、きゅんとしてしまったのです。
 
そして、わたしは、思うようにならない左腕を思い切って切り捨てて手に入れた高性能な義手で、あなたが、元のような名外科医としてカムバックしてくれるものだと信じていたのに… 
そして、グリーン先生亡き後のエリザベス・コーディを紆余曲折しつつも最終的には射止めて幸せになってくれるものだと思っていたのに…
 
それなのに!!!!!
 
まさか、墜落して来たヘリコプターに押しつぶされてしまうなんて!
左腕を奪っただけでは飽き足らず、命まで! 
ヘリコプターが憎い!
 
わたしが、決して見る事のなかった高性能義手での巧みな外科手術… あなたの事を思い出す度に、その光景が、眼に浮かんでくるようです。

あなたの晴れやかな笑顔…

さようなら、ロバート・ロマノ。
あなたは最高の外科医でした。

マヤ… 恐ろしい子…

我が家に、時ならぬ「ガラスの仮面熱(フィーバー)」のパンデミックがやって来た。
 
先ず感染したのは小僧… 実家のわたしの書棚から何の気なしに手に取ってしまった文庫版の「ガラスの仮面」が感染源となった。 そして、その熱に浮かされた小僧の姿を見ていた同居人のハスヨスさんまでがその文庫版の「ガラスの仮面」を軽い気持ちで手に取り、そして知らぬ間に感染… 
 
そう… この「ガラスの仮面」と云う漫画はそれ程に恐ろしい漫画なのだ。
 
わたしがこの漫画を認知したのは、いつの頃だったろうか… 当時、連載は「演技の天才」北島マヤが芸能界から干され、高校の学園祭で一人芝居「女海賊ビアンカ」を演じる中で観客の目を意識し始める… と云う部分が語られていたっけ。
 
まさに典型的なお目目キラキラの少女漫画スタイルの絵… 
第一印象は「何じゃこりゃ?」…
 
しかし、これは絶対に読め絶対に後悔させないから絶対に面白いから絶対に止められなくなるから… と無理矢理にわたしにコミックスを押し付けて帰って行った友人の余りの熱意にわたしはその漫画を渋々と読み始めた… 筈だったのに。
 
それ以来、ほぼ30年(!)という歳月が過ぎ去った今も猶、わたしは「ガラスの仮面」の虜なのである。 しかし、その長い年月を経ても未だに完結する事を見ない「ガラスの仮面」… よもやこのまま「紅天女」の結末を知る事が出来ないのではあるまいな? 
 
年月が重なれば重なる程にいま増す期待。 
恐らくは、一億人の人びと(?)がその結末待つ垂涎の思い。
マヤと「紫の薔薇の人」との運命の恋の行方は?
月影先生の寿命一体何処まで保つのか?
努力と美貌の人、姫川あゆみはこの先一体どうなっちゃうのか?
  
どどどどどうするどうする?
作者の美内すずえ氏の苦悩如何ばかりや?
 
しかし、我々に残された道は座して待つただそれのみ。
 
実家から持ち帰った文庫版の「ガラスの仮面」既刊1?23巻。
今、わたしの後継者(?)である小僧が目を泣きはらしながら2回目の通読に入った。
そして、偏見に凝り固まっていたハスヨスさんまでもが…

以前から事ある毎に薦めていたのに「絵がきら?い、少女漫画きら?い」と宣って見向きもせず決して読もうとしなかったあの頭が固く強情で心の狭いハスヨスさんですら、ただ「読み始めたら」それだけで夢中にさせるのだこの漫画は。
 
恐ろしい子…
マヤ、あんたって子は…
 
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「野蛮人との生活」が好きだ。

あの日…

そう、あの日。高校一年生の私はピアノのレッスンからの帰り道、何時もの様にバスターミナルの二階の本屋に立ち寄り、何時もの様にハヤカワ文庫の棚に目を走らせた。
今日は何かクリスティの未読分でも… 私は、そんなことを思いながらゆっくりと本棚の前を歩く。そして、ふと、ある一冊の本に目を奪われる。

野蛮人との生活…?

随分と古そうな本だ。既に、本棚の中に行儀良く並んだ数多の本の中でも一段と濃い茶色に変色している。奥付を確認する。

昭和四十九年…? 
十年も前の本?
シャーリィ・ジャクスン?
あの「くじ」(当時未読、知識のみあり)の人…?


私は、魅入られた様にその本を手に取るとレジカウンターへと急ぐ。

本との一期一会の出会い… とはまさにあのこと。
あの日、私は本当に本屋の書架に埋もれていた「野蛮人との生活」に呼ばれたのです。

今では、見る影もなくばらんばらんに成り果てようとしている脆く危うい酸性紙の古い本。

これは、私が、この本の良さを本好きの人々に知って頂きたくて、何人ものお方に無理矢理にお貸ししたり押し付けたり… という歴史(?)の賜なのです。そして、確実にファンを増やしたと自負していたりもして。

でも、壊れそうでコワイから、新品が欲しい!


  



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バック・トゥ・ザ・フューチャーが好きだ。

わたしは「バック・トゥ・ザ・フューチャー」が大好きだ。
勿論、「1」だけではなく「2」も「3」もシリーズの全てが大好きなのだ。

わたしと「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の出会いは、1985年の初夏の頃だっただろうか… 丁度、本格的な映画館での映画観賞デビューを果たした頃。 覚えたての猿の自慰の様に、劇場で映画を観る事の素晴らしさに浸っていた頃。 真っ昼間の殆ど貸し切りの様なロードショーの封切館での出会いであった。 

多分、あの時は講義をさぼっていた。
とにかく、笑った。

そして、感動した。

錯綜するタイムパラドクスを細かく丁寧に伏線を張りつつ進行させる構成の妙と、さり気なくも、しかし、けれん味たっぷりに、時にはカメラ目線でキメて見せる登場人物達の生き生きとした演技が大画面の中で炸裂する。 

本当は、なんだかんだと理屈を付ける事など何もない。
 
ただ単純に「面白い」のである。
ただ単純に「楽しい」のである。
ただ単純に「笑える」のである。


観れば、誰しも、何も考えずに楽しくなれる映画、それが「バック・トゥ・ザ・フューチャー」という映画、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」というシリーズなのだ。

人目も憚らずに声を出して笑った映画館でのあの時。 あの時から「バック・トゥ・ザ・フューチャー」はわたしにとって「特別な映画」になった。

それ以来、何度となくこの映画を観ているが、何回観ても何年経っても、決して色褪せる事はない。

そして、この映画の特筆すべき点は、実は他にある。

それは、続編、続々編がそれぞれにすべてが傑作だという事である。

通常、前作に次ぐ第二作は「何だかな??」と疑問に思う出来映えである事が多いのだが、このシリーズは違う。 

細かい突っ込みどころはあるのだろうが、そんな些末な事はどうでも良く、「2」は「2」として「3」は「3」として、そして「1」から「2」へ、「2」から「3」へと繋がって行くお話しの破綻のないよどみない流れ… どれもこれもが「単純に」面白い。 

やはり、エンターテイメントはこうでなくちゃ! と納得させられるカタルシスにも似た気分の良さ、そのサービス精神に脱帽なのである。


バックトゥー



今日は、「3」を観賞。

勿論、今日も、笑った。
次に観る時も、勿論、笑うだろう。


わたしは「バック・トゥ・ザ・フューチャー」を、間違いなく愛している。

デイヴィッド・クローネンバーグが好きだ

何故だろう。
わたしは「デイヴィッド・クローネンバーグ」が好きだ。

何時からだろう。
わたしは「デイヴィッド・クローネンバーグ」が大好きだ。

最初に観たのは多分「スキャナーズ」だろうか。

衝撃だった。 

何が衝撃だったのかと云うと、クローネンバーグと云うと引き合いに出される暴力的で血塗れのスプラッタ描写なんかは、そんなものはどうでも良く、「人間の悪意」と云うものをこれ程にえげつなく見せ付けて来る様な物語の描き方… それを観た事によって、単に「目に入って来る映像の是非」と云うだけではない、じわじわと真綿で首を絞められた様な何とも云えない嫌悪感や不安感と、まるで、生きたままの心臓を直に鷲掴みにされ、握りつぶされされるが如き精神的な圧力がリアリティを持って感じられてしまう、表面上の云々よりももっと深い場所での恐ろしさに… なのである。

そして、「デッドゾーン」との出会い。

こちらも、わたしの偏愛の対象である作家スティーヴ・キングの、その彼の著作の中でもわたしが最も好む小説「デッドゾーン」と、クローネンバーグの融合。

わたしは持論として、キングは「人間は須く善人である」という「性善説」の作家だ… と考えているのであるが、それに対して、クローネンバーグのアプローチの仕方と云うのは「性悪説」の表現者だと思うのである。 キングは底抜けに明るく(そして、そこに恐怖が宿ることの突き抜けた恐ろしさときたら!)クローネンバーグは何処までも重く暗い。 正反対の性格から生まれた物語がクローネンバーグによってどんな風に料理されるのか… それは旨いのか不味いのか。 

そう云う複雑な思いの中で観た、キング原作クローネンバーグ監督の「映画/デッドゾーン」は、クローネンバーグが彼の持ち味をバックグラウンドに色濃く漂わせ、暗く陰鬱な世界観を構築し乍らも、しかし、原作に忠実な人物描写により、イメージを壊す事なく作り上げられた傑作だったのである。

原作を尊重し、しかし主張し過ぎる事なく、それでいて充分に自らの作品としての味も失わずに作り上げることのできる仕事師… 素晴らし過ぎる!


クローネンバーグ


そして、始めた蒐集の成果を見よ。

斯くの如く、わたしはクローネンバーグが好きなのである。 
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