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今になって、筒井康隆を読むのこゝろ その弐

今までのお話…

今になって筒井康隆を読むのこゝろ その壱(ふえるかんそーぶん)

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幼少時/青年期に於いてこその必読の書である筒井康隆の著作を、敢えて遠ざけ「禁筒井」をこゝろに誓った私は、齢三十八にして、初めて、その禁を解き、「筒井ワールド」に踏み込んだ! 
そして… 私は、筒井作品に対して抱いていた淡い乙女の夢が儚くも潰えるのを感じたのである。

そうなのか?
本当にそうなのか?
私の長年の「我慢」には
本当に意味がなかった、というのか?



私は、その気持ちが確信に変わってしまう危険にひるみながらも、再び「筒井」を手に取った…

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■「にぎやかな未来」/ブックオフ 読了

ショートショート集。 評価は う?む、星2つ… といった所か。 
今までも、傑作だ、と云われるチョイ古な作品を読んで、その色褪せた姿にがっかりしてしまう事があったが、多分この作品集に感じたのは、それかも知れない。

例えば…

「お助け」
筒井康隆最初の作品らしい。 ニコルソン・ベイカーの「フェルマータ」を思わせる設定なのだが、起こる事件に決定的な齟齬が… オチも、よく考えてみれば、もしそう云う状態になったとしても決して起こり得ない状況に思えて、これは、30点。 

「腸はどこへいった」
皆様よりの情報あり。 まあ、面白いけれど、異次元空間もので、同じテーマの「おーい、出てこい」の思い出が… 文明批判も盛り込んだ「おーい、出てこい」に比べるとこれは如何なものか? オチは、あの「トイレット博士」の一編を彷彿とさせるものであった。 知ってます? 「トイレット博士」。 60点。

「亭主調理法」
皆様よりの情報あり。 事前の情報より期待していたものと一寸違っていた。 30点。

「スペードの女王」
これは酷い! 特に最後の一文が最低! 素人臭いというか、素人がけれん味たっぷりに書いちゃいそうな… 20点。

「パチンコ必勝原理」
お! これは、好みかも… 書きつのる事で状況をエスカレートさせる手法が効果的に使われている、かな。 これが、筒井作品の味というか特長でもあるんだね? きっと。80点。

「きつね」
おおおおお! これは!
何とも云えないノスタルジックな雰囲気。
日常の中で、何という事はない空間のゆがみを感じてふっと振り返る… するとなんとなく寒気がしたけれど、別に何も起こっていない ってな感じ。 100点。

「池猫」
怖いというか… 生き残れて良かったね(違う?)。 50点。

「疑似人間」
これも、静的なエスカレーションでなかなか。 オチも面白かった。 70点。

「にぎやかな未来」
これは出来の悪い落語。 決して、私の記憶にあるあのリリカルな作品ではない。 40点

多分、アイディアの面白さだけが先走っていて、しかも、筆致に悪乗り… というか、やり過ぎというか… とにかく、ただ単に人の心に波を立てる事が出来ればそれでいいっぽい乱暴さがあるのが、私の感じた拒否反応の原因なんじゃないだろうか。

その一方で、えも言われぬ雰囲気を醸し出している「きつね」とか、エスカレートする出来事をあくまでも静かに追い掛け文章が十重二十重に重なり合って読む者に出来事の圧力を感じさせる「パチンコ必勝原理」などが気になる…

やはり、この筒井に対する気持ちをこのままに放置することは出来ないようだ…

つづく…
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コメント
はじめまして~
こんにちは、kownと申します。
ラブレという飲み物が好きで「コーウンの扉」というブログを書いています。
最近、昔読んだ筒井氏のショートショート(腸はどこへいった)のことを思い出し、それにまつわるブログを探しているうちに、
こちらにたどり着きました。
トイレット博士のことは知りませんでした~。
トラックバックさせていただきましたので、よろしくお願いします。
kown URL 2006年11月05日 03:46:49 編集

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幼い頃読んだ「にぎやかな未来(筒井康隆)」という短編小説集に「腸はどこへいった」...
続コーウンの扉-植物性乳酸菌飲料ラブレで便秘解消実践中- 2006年11月05日 03:47:37

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